AE-Salon Webマガジン「alore(アローア)」

風俗画万歳!

風俗画万歳!

「生活感」が大好き!

17世紀にオランダで流行した風俗画。

当時の庶民が、「歴史画(宗教画や神話画のこと)なんて分かるかい!」とばかりにこぞって求めた、日常の何気ない場面が描かれた作品のことである。

ちなみに、今年来日で騒がれている、フェルメールの作品の大部分もこのカテゴリーだ。

ただ、フェルメール作品に漂う気品も、それはそれで魅力的だが、私が風俗画で好きなのは、そこに描かれている「生活感」であり、「人間臭さ」だ。喜怒哀楽がとてもストレートなのである。

庶民は、本当に「ありがたさ」を感じていたのか?

17世紀のオランダ風俗画の背景には、新教(プロテスタント)の「これをしなさい。こんなことをしてはダメ」という、聖書のありがたい教えをメッセージとして伝える要素が大きく含まれていたと、教科書にはよく書いてある。

しかし、である。

庶民が本当に作品を見て、毎回「ありがたい」気分に浸っていたかと思うと、私はやや懐疑的である。特に根拠はないので、学説的に反論されると、なにも返す言葉はないのだが・・・。

いくらなんでも、「庶民の日常」にそんな余裕はなかったのではないだろうか?

ただ、だからといって、風俗画の魅力が下がってしまうとは思えず、私には、むしろ上がるように思われる。

貴族より「その日を生きること」に必死だった庶民にとって、自分達の「今日の」喜怒哀楽、特に「喜び」や「楽しさ」を残し、意識することは、「明日も生きること」の大切な活力源だったのではなかろうか?

だからこそ、私は風俗画を見るたびにいつも、歴史画より「地に足がついている」感じを強く受ける。

風俗画は本当に「格下」か?

フランスのアカデミーは、風俗画を歴史画よりも格下に位置付けた。

でも、私には、イエス・キリストやギリシア神といった、見たこともない「神」の物語を描いた歴史画よりも、血の通った「人間」の生活やそこでの喜怒哀楽を描いた風俗画の方が、よほど高貴に感じられる。

どんなに時代が経とうとも、人間が生き続けている限り、そこには必ず「生活」が存在し、「喜怒哀楽」のリアルな人間模様が毎日展開される。

それこそが、本当に高貴なものであり、気品漂うものなのだと、私には強く感じられるからだ。

この記事のライター

aloreライターmilkhoppy
<出身>
仙台生まれの東京・川崎育ち。

<所有資格>
アートエバンジェリスト、美術検定2級、教員免許。
 
<意気込み>
「正確なインプットと分かりやすいアウトプット」を、常に心がけ、頑張りたいと思います。
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