
【「見方」は自由、でも「理由」があるともっと楽しいです。】
美術館の作品。どう見ようが、感じようが、もちろん自由です。でも、「色が好き」、「テーマが面白い」など、「自分の内面」が分かると、もっと楽しくなります。そんな方法をご紹介します。
【まず背景知識をつかみます。】
美術館を訪れたらまず、入口にある概説を読んでみましょう。「背景知識」がつかめます。これが後で効いてきます。
【作品の第一印象を意識します。】
作品を見たら、まず第一印象を意識してみます。ここでは「作品解説」は読まないこと。「サイズが大きい、小さい」、「堅い、やわらかい」、「色が多い、少ない」、「人物の表情が豊か、乏しい」、「背景が描かれている、描かれていない」など、何でもいいのです。多ければ、なおいいです。一緒に訪れた人と話してみても、お互いの好みが分かって楽しいかもしれません。意外と性格が出ます。直感的、理論的、大局的、細かい、などなど・・・。
【背景知識と第一印象を合わせてみます。】
背景知識と第一印象を合わせると、作家の意図が見えてきます。作家がどんな意図で作品を制作したのかが分かると、「自分の気づかない見方」が生まれてきます。すると、その作品や作家がより深く理解できるでしょう。
【作品解説を読んでみます。「新発見」を大切に。】
美術館の作品解説を読んで、自分の「見方」と比較してみます。
もし、解説には書いていない「見方」を自分がしていたら、それは「新発見」です。「自分の感じ方は間違っていた」なんて思う必要は全くありません。解説通りの「正解」よりも、自分だけの「別解」をどうか大切にしてください。「優等生」になんてならなくていいのです。
【いくつかの作品を比較します。】
これまで説明した作業を、いくつかの作品について繰り返してみます。すると、作品どうしの「かかわり」が浮き彫りになってきます。また新しい「見方」や「感じ方」も生まれてくることでしょう。
【「全体感」はどうだったでしょうか?】
すべての作品を鑑賞し終わったら、最後に「全体の感想」を意識してみます。「誰の作品がよかったか?」、「いつの時代の作品がよかったか?」など、できるだけ具体的に考えてみてください。
【この作業は、「心地よい疲労感」を抱く程度が最適です。】
これらの作業を、いきなりすべての作品について行う必要はありません。初めのうちは「好きな作品」にだけ「理由」を考えてみましょう。
きっと「心地よい疲労感」と共に美術館をあとに出来ると思います。