
いきなりジョージ・ガーシュインを気取る?
我が国でも国際化が進む中、敢えてガーシュインの名曲やハリウッド映画で誰もが知る『パリのアメリカ人』のような表現をタイトルに織り込んでみました。航空機や新幹線での機内誌をはじめ、テレビや雑誌で取り上げられることも多いアランさんにつきましては皆様既にお馴染みかと思います。アメリカ合衆国ワシントンDC出身のアランさんは、藝大でかの加山又造に師事し、現在は谷中に画廊とアトリエを兼ねた「繪処アラン・ウエスト」を開いています。
ちなみに、この繪処は、かって自動車整備工場であった場所を時間とお金とそして愛情をかけて改築したそうで、実に素敵な空間に仕上がっています。
心優しいアランさん
10月のalore記事執筆の段階では、日本人のアランさんの奥様に11/19「谷中ツアー」開催当日の開廊状況を確認していたのですが、その時点ではアランさんの在廊は未定とのことでしたので、「調整中」という表現しか出来ませんでした。今般フライヤーをアランさん本人に手渡し「当日の目玉」として既に募集をかけていますので何とか在廊をお願いしますと泣きついたところ、「判りました。可能な限り在廊するように致しましょう。」と心優しいアランさんは仰って下さいました。有難いことです。
至福の空間でのひととき
たらし込みや箔貼りの技法が使われた季節に合わせた琳派作品等が溢れる空間には、いつも小さな音量でクラシック音楽が流れています。最初は雅楽を流そうと思ったそうなのですが、お友達から「それでは如何にもという感じで「粋」じゃないよ」との指摘を受け、BGMはクラシック音楽としたんですとアランさんは笑いながら仰ってました。10月に訪問した際はモーツァルトのコンチェルト(脱線ですがモーツァルトを聴く醍醐味は、やはりコンチェルトと声楽曲ですよね!)が流れていましたが、和の空間とモーツァルトの旋律♪の親和性は抜群で、これはあたかもアランさんご自身そのもののメタファーではないかとの想いを抱きました。
アランさんはいつも優しい笑顔で、穏やかなきれいな日本語で訪問者に語り掛けて下さいます。勿論、空間そのものが素晴らしいアートと言えるのですが、アランさんのお人柄には誰もが惚れ込んでしまうようです。昨年、若い女性を案内したところ、帰宅後に彼女の父親にアランさんの至福の空間について熱く語り、その話を聞いて訪問したくてたまらなくなった父親は早々と翌週末にアランさんの処を訪れたそうです。海外のガイドブックにでも紹介されているのか、「繪処アラン・ウエスト」を覘くことは谷中に訪れる外国人観光客にもデフォルトとなっているようで、ひっきりなしに多くの外国人の方が覘かれていきます。
フリーで訪れても勿論、アランさんは暖かいご対応をして下さいますが、11/16(土)開催の本ツアーでは、藝大アートプラザ⇒上野桜木あたり⇒日本美術院(入場 展示作品鑑賞)⇒繪処アラン・ウエスト⇒三浦坂⇒ミシュラン ピブグルマン常連のうどん屋「釜竹」(ここだけは自由参加、別料金)というコースですので、ご関心を抱かれた方はご参加を検討願います。「繪処アラン・ウエスト」にはたっぷり滞在する予定ですので、ご参加戴ける方はアランさんとしっかりとお話をして戴ける段取りとなっています。
強敵市原えつこ、これは手ごわい…
何と当日の同じ時間帯にメディア・アーティスト市原えつこのアーティスト・トークとパフォーマンスが松戸で開催されることに気が付きました。昨晩、美術アカデミーでハイレベルな林卓行先生の「科学とアート」講座を受講し感化されたばかりの私としては、正直これにも行きたいと心が折れそうになりました。しかし、この「谷根千」を巡るツアーの申込状況は好調ですと、やはり昨晩事務局より知らされましたので、もう後戻りは出来ません。やや通好みの内容になるかとは思いますが、ご参加各位には参加して良かった、こんな面白いスポットがあったのかと思って戴けるよう頑張る所存ですので、ご検討の程、重ねてよろしくお願い致します。
11月初旬の谷中アート情報
このaloreがアップされるのは11月初旬の予定ですので、そのタイミングでの谷中(極めて狭いエリアに集中していますが 笑)アート情報を若干記載させて戴きます。
- 黒田記念館
今年の秋の特別室(『読書』『舞妓』『智・感・情』『湖畔』が展示)開室日は10/29~11/10です。例年、意外と混んでません。少なくとも東博「黒田展」の時よりは観易いと思います。 - 国際子ども図書館
「絵本に見るアートの100年 -ダダからニュー・ペインティングまで」展が来年1/19まで開催中です。20世紀アート史を美術検定受験直前に最終チェックしたいという方には特にお勧めです。(笑) - 京成 旧博物館動物園駅 駅舎
11/17までの金・土・日・祝は駅舎内に入れます。整理券制ですが、始まって2日目の10/19にイベント情報を知らずに私が訪れたところ、即入れてしまい何だか拍子抜け致しました。しかし、終盤には混み合ってしまうような気が致します。