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壁色で国がわかる大エルミタージュ美術館展

壁色で国がわかる大エルミタージュ美術館展

ウィギリウス・エリクセン《戴冠式のローブを着たエカテリーナ2世の肖像》

エルミタージュ美術館展~オールドマスター西洋絵画の巨匠たちを見にいきました。

まずは、この肖像画、エカテリーナ2世が迎えてくれました。

エカテリーナ2世は、18世紀後半にロシア帝国を統治し、エルミタージュ美術館を世界有数の大美術館にする基礎を築いた人物です。33歳とは、思えないほど威厳がありますね。

 

今回、「大エルミタージュ美術館展」でロシアのサンペテロブルクから運ばれた油彩85点は、そのすべてがエルミタージュ美術館の常設展示作品です。

これらの作品は、16世紀から、18世紀の作品です。(図1:ルネサンスからロココへ全体の流れ 参照)しかもそれら作品群は、一時的な人気に惑わされない巨匠「オールドマスター」のものです。

オールドマスターとは?

一般的には、18世紀以前の芸術家たちを意味します。彼らの作品は、ルネサンス以来の伝統や価値観にのっとって、確かな技術を用いて丹念に制作されていることが多く、古典的と評されていることもあります。

16世紀~18世紀ヨーロッパ美術の流れ
図1 ルネサンス~ロココへ全体の流れ

 

このころの歴史

16世紀、宗教改革がおこり、ヨーロッパが、カトリック圏とプロテスタント圏に分裂しました。カトリック教会は、それにより失った信者を取り戻すため、人々が感情移入しやすい絵画を使って布教しました。17世紀、こうして生まれたのが、ドラマティックで躍動感のあるバロック美術です。

一方、プロテスタント圏として独立したオランダでは、プロテスタントが偶像崇拝を禁じたために宗教画の需要が消失。それに代わって、風景画や静物画などバロック時代の非バロック的な絵画が誕生し、市民中心の黄金時代をむかえました。

18世紀、フランスでは、秩序と調和を重んじる古典主義へ回避する傾向が強まり、ルイ14世の没後は、ロココと呼ばれる繊細優美で、軽快な宮廷美術が、人気をよびました。

 

エルミタージュ美術館展、各章ごとの流れ

今回は、国・地域ごとの章構成となっており、壁紙も色分けしています。イタリアは赤、オランダは緑、フランドルはオレンジ、スペインはブルー、フランスはベージュ、ドイツ・イギリスは、チョッと薄いベージュです。作品を観ながらでも壁紙の色で、国を意識できます。(図2:各章の国の壁紙の色 参照)

それぞれの国・地域の人々がこの時代、どのような絵画を愛したか?がオールドマスターと称される画家の作品を通じて、わかります。

大エルミタージュ美術館の各章の国の壁紙の色
図2 各章の国の壁紙の色

さて今回の話に関連づけて、色の役割について紹介します。

色の2つの役割

ふだん私たちが目にする色は、2つの役割があります。ひとつは、サイン的役割。これは、今回のように国を判別する役割です。もうひとつは、シンボル的役割。これは、人の行動に働きかける役割ではなく、様々なイメージ、心理をおこさせる役割です。

最後に

今回、東京の森アーツセンターギャラリー、名古屋の愛知県美術館と2ヶ所見にいきました。その理由は、作品群の素晴らしさもそうですが、壁の色に何か意味があるのでは?と思ったからです。東京の展示と全く同一の色だったら、イタリアに赤?なぜ?と深く考え調べなくてはなりません。しかしながら、実際は、似たよう壁の色でした。色そのものに意味はないものでした。

壁色で国がわかり、オールドマスターの作品群も楽しめる「大エルミタージュ美術館展」見応え満載でした。

この記事のライター

aloreライター片桐です
1964年生 既婚 愛知県一宮市住在 会社員
<好きなこと>
美術鑑賞/本、雑誌を読むこと/能のお稽古/着物を着ること/レトロな喫茶店に行くこと/テンションのあがる音楽/人の話を聞くこと/
<取得資格>
国際カラーデザイン協会 カラーデザインマスター/日本カラリスト協会 1級パーソナルカラーリスト/色彩診断士/東商カラーコーディネーター1級(環境色彩)/アートエバンジェリスト/日本色彩学会会員

アート&色。お手すきのときにお読みくださいね。
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