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「やきもの」鑑賞のポイント

「やきもの」鑑賞のポイント

【今回のテーマ】

今回は、「やきもの」を鑑賞する際のポイントを、基礎知識や、実際に展覧会を訪れた感想、その後の自身の変化を通して紹介する。

【鑑賞の基礎知識】

「やきもの」の鑑賞においては、文様(もんよう)、釉(うわぐすり)、素地(きじ)加工法が、非常に分かりやすい着眼点といえよう。

「文様」とは、茶道具の絵柄を指す。白地に藍色で模様が描かれている染付(そめつけ)や、非常にカラフルな色絵(いろえ)が代表的。染付作品では二色の組合せの妙が堪能でき、色絵作品ではさまざまな色合いの組合せを楽しむことができる。

「釉」とは、茶道具の表面を覆っているガラス質皮膜のこと。灰釉、鉄釉、織部釉、辰砂釉、ルリ釉などが存在。「色」と「かかり方」の二面から作品を楽しむことができる。

「素地加工法」においては、粉引(こひき)、刷毛目(はけめ)、象篏(ぞうがん)、かき落としなどの手法が一般的である。一つ一つの作品で、その技術レベルの高さを楽しむのも一興である。

【「館蔵 茶道具取合せ展」の感想】

ここでは、実際に展覧会を訪れた感想として、2016/12/10から2017/2/12まで、東京の五島美術館にて開催された、「館蔵 茶道具取合せ展」について記載する。

本展で私が特に感動したのは、「織部釉」の緑色の映えと、「沓形碗」の形状のもつ何とも言えない包容感であった。

織部釉とは、銅の変色からつくられる緑色の釉のことで、プロデュースした古田織部にちなんでこの名前がついている。本展では、織部釉作品は複数展示されていたが、その全てにおいて、発色具合も、かかり具合も、実に見事であった。

沓形碗は一見歪んでいる碗であるが、上から見ると平安貴族の沓に似ているところからその名がついた。丸碗にはないその歪み具合は、どこか「あまり堅苦しくならないで」というメッセージを鑑賞者に発しているように私には感じられた。

【鑑賞後の私の変化】

普段、絵画展を訪れることがもっぱらだった私が、「やきもの」の展覧会を訪れたきっかけは、書店で何気なく手に取った入門書。掲載されていた「やきもの」の写真の色の鮮やかさが目に焼き付き、すぐにインターネットで本展を探し当てたのだ。

鑑賞後の今の私は、「やきもの」の展覧会を探したり、織部釉の魅力をインターネットで検索したりすることが非常に楽しくなった。自身の美術鑑賞の幅が、大きく広がった。

【おしまいに】

今年は、「やきもの」展覧会が目白押し。「やきもの」はちょっと・・・と思った方も、「食わず嫌い」をせずに展覧会を一度訪れてみてはいかがだろうか?絵画展、彫刻展、写真展などとは違った魅力が、必ず待っていると思う。

この記事のライター

aloreライターmilkhoppy
<出身>
仙台生まれの東京・川崎育ち。

<所有資格>
アートエバンジェリスト、美術検定2級、教員免許。
 
<意気込み>
「正確なインプットと分かりやすいアウトプット」を、常に心がけ、頑張りたいと思います。
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