AE-Salon Webマガジン「alore(アローア)」

知っているようで、知らないこともある「国宝」

知っているようで、知らないこともある「国宝」

京都国立博物館で行われている「国宝」を見に行きました。

すべて「国宝」・純度100%!!、死ぬまでには見ておきたい「国宝」、などのパンフレットに誘われての展覧会でしたが、その言葉どおり、見ごたえある展覧会でした。
私は、最初「国宝」とは、重要文化財と思っていましたが、少し違うようです。そこで、今回は、「国宝」とは、についてレポートしたいと思います。

そもそも「国宝」とは

「文化財保護法 第27条」によると、重要文化財のうち世界文化の見地から価値の高いもので、たぐいない国民の宝たるものとあります。重要文化財のなかでも特に歴史的価値、学術的価値の高いものが、「国宝」に指定されます。

「国宝」と重要文化財の違い

明治30年(1897年)に「古社寺保存法」が、制定され、重要な文化財が「国宝」と呼ばれました。その後昭和4年(1929年)に「国宝保存法」が制定されました。この時の宝物類が、3705件、建造物が845件、「国宝」にしています。戦後の昭和24年(1949年)に法隆寺金堂壁画が、焼損したことをきっかけに「文化財保護法」が制定。この時従来の「国宝」(旧国宝)は全て「重要文化財」とされ、翌年にあらためて「国宝」が選定されました。つまり、現在の「国宝」は、重要文化財の中のもっとも貴重品です。

「国宝」の数

現在の「国宝」は、1101件あります。美術工芸品と建造物の2分野に大きく分かれ、美術工芸品が878件。建造物が、223件です。その中でも美術工芸品は、7分野に分かれています。(参照 国宝の数)

重要文化財は(国宝を含む)1万3128件指定されていますので、「国宝」の割合は約8%となります。本展の展示は200件ほど、約4分の1が見られます。

ふだん「国宝」は、全国各地であります。
「国宝」が多い都道府県は

第1位 東京都…277件
第2位 京都府…232件
第3位 奈良県…201件

国宝が一つもない県は、徳島県と宮崎県です。(2017年8月現在)
第1位の東京都は、博物館や美術館が多いこと、また個人所有の国宝も比較的多いからだそうです。

博物館、美術館以外で一番「国宝」を所蔵しているのは

  • 第1位 奈良県の法隆寺…建造物18件、美術工芸品20件
  • 第2位 奈良県の東大寺…合計31件
  • 第3位 奈良県の興福寺…合計26件

トップ3は、奈良県の寺院が独占しています。

「国宝」は、売買できるのです

「国宝」が私有財産(法人・個人所有など)の場合は、所有者の意志で売買できます。ただし、売り主は譲渡先や売却価格などを記載した書類を文化庁に届け出なければならないです。

「国宝」の値段

今回展示されている『漢書楊雄伝(かんじょようゆうでん)第五十七』は、京都国立博物館が購入したものです。その額は3億1000万円!
この紙本墨書は、中国の前漢の歴史を記した歴史書で、唐時代前期の古写本として唯一日本にのこるものです。日本人が文字のお手本とし、平安時代には、「史記」「後漢書」に並ぶ教科書的な存在だったものです。実物をみると平安時代の人々が、漢文を読むために付けたヲコト点や仮名点などが朱書きで残っています。値段にびっくりしましたが、平安時代の人々の朱色の痕跡は、値段以上のものがあると思いました。

最後に

是非、教科書でみたことある「国宝」、ネットで見たことある「国宝」、写真で見たことある「国宝」これらを実物で見ていただきたいと思います。何か、感じることと思います。
ちなみに私は、土偶でした。

この記事の参考資料 日本の宝 監修/京都国立博物館。本展の図録

この記事のライター

aloreライター片桐です
1964年生 既婚 愛知県一宮市住在 会社員
<好きなこと>
美術鑑賞/本、雑誌を読むこと/能のお稽古/着物を着ること/レトロな喫茶店に行くこと/テンションのあがる音楽/人の話を聞くこと/
<取得資格>
国際カラーデザイン協会 カラーデザインマスター/日本カラリスト協会 1級パーソナルカラーリスト/色彩診断士/東商カラーコーディネーター1級(環境色彩)/アートエバンジェリスト/日本色彩学会会員

アート&色。お手すきのときにお読みくださいね。
Return Top
error: Content is protected !!