
3331 ART FAIR 2018
東京都千代田区外神田。
秋葉原電気街の喧騒を抜け、東京メトロ銀座線末広町駅を越え、中央道から一歩路地に入ると、人々が憩う公園の奥に、旧練成中学校の校舎がひょっこり現れます。
かつて地元の子供達が通った学舎は、現在、アートセンター『3331 Arts Chiyoda』として再利用されています。
アーティスト主導のアートセンターとして、地域とアートを繋ぐ「場」の創造に取り組んできた3331 Arts Chiyodaで、3月7日から11日までの期間、全館をあげての大規模なアートフェアが開催されました。
2013年にはじまり、今回で7回目を迎える「3331 ART FAIR」。キャリアを踏み出したばかりのアーティストから、すでに多方面で活躍しているアーティストまで幅広く集結。絵画などの平面作品からインスタレーション、手のひらサイズの愛らしい立体造形から広い空間を生かした大型作品まで、バリエーションに富んだ作品が一堂に会しました。
第一線で活躍するキュレーターや、アートの専門家が推薦するアーティストの作品がメインギャラリーを飾ります。
元校舎という、ほとんどの大人にとってもはや非日常的な空間の中、教室や体育館、屋上の元校庭をアート作品が埋め尽くす様はまさに圧巻でありました。
また、東日本大震災のチャリティーオークションやアート関連の古書市、フードマーケット、トークイベントやワークショップなど各種イベントも盛りだくさんでした。
Atsuko Nakamuraさんに「コレクター・ドネーション」を贈呈
今回、我々アートエバンジェリスト協会は、”プライズ・セレクター”としてアートフェアに参加させていただくことができました。
プライズ・セレクターは、購入した作品に「コレクター・プライズ」を、応援したいアーティストに「コレクター・ドネーション」を贈ることができます。
アートエバンジェリスト協会では、Atsuko Nakamuraさんにコレクター・ドネーションを贈ることとなりました。

Atsuko Nakamuraさんは「人間の営みと自然」をテーマに、インスタレーションや映像作品を制作しています。
流木や塩、水など自然の素材を使った作品を通して、自然のもつ美しさや儚さ、生命力の強さや悠久の時間を感じさせ、観る者に人間と自然の関係性を問いかけます。


Atsuko Nakamuraさんは、流木を使った大型インスタレーションや、福島の原発事故をモチーフにした作品等も制作されており、今回観ることのできなかった作品も非常に興味深いものがありました。「もっと観てみたい!」という期待感とアーティスト本人の放つ魅力に惹かれ、今回のドネーション贈呈となりました。
アートフェアの醍醐味
アートの「今」を肌で感じることができるアートフェア。
観ているだけでも楽しいのですが、アートの専門家であるギャラリストやアーティスト本人と直接会話をしたり、作品を購入したりすることができるのもアートフェアの醍醐味。購入することで、アーティストに対する支援にもなります。
どんなに素晴らしい作品を残したとしても、何万人が美術館でその作品に見惚れようとも、今を生きる私たちは過去に生きた巨匠たちを直接支援することはできません。しかし、同じ時代、同じ空気を吸って同じ空の下で生活しながら作品の制作に情熱を注ぐアーティストたちには、様々な形でエールを送ることができます。
有名な作品を美術館に観に行くだけがアートの楽しみではありません。自分がそれまで見たこともないような作品に出会い、名前も知らなかったアーティストに出会う。「どうしてこんなものを作ったんだ?」と疑問に感じたら、素直にアーティスト本人に尋ねても良いのです。ガラクタにしか見えなかったモノが、作者の意図を知った途端に知的な輝きを放つこともあるでしょう。
アートフェアで体験できる”新たな出会い”は、きっと、あなたの世界を広げてくれますよ。