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美術館と私 2 〜静岡市立芹沢銈介美術館〜

美術館と私 2 〜静岡市立芹沢銈介美術館〜

美術館と私 2
〜静岡市立芹沢銈介美術館

昨年の「ARTのある暮らし」から、今年度はタイトルを新たに各界の方々のインタビューにも取り組む予定ではありますが、まだ準備段階の為、取りあえず今回は訪問して記憶に残る美術館を舞台にしたエッセイに挑戦してみることにしました。
素人の詰まらないエッセイなど読み飛ばして頂いて構いませんが、後半の「ARTなスクリーン」とユニークなミュージアムグッズの「キャリーバッグ」、「美術展 Pick Up!!」は美術館歩きの参考にして頂ければ幸いです。

1. 静岡市立芹沢銈介美術館

庭園

 

エントランス

 

「日本の建物は木と紙と石で出来ている」と云ったのは、ドイツの建築家ブルーノ タウトだったろうか? 渋谷の松濤美術館を訪れた時も、ごつごつとした岩の壁面が厳つい感じで、照明を落とした館内も決して作品鑑賞に向いているとは思えない。ただ云ってみれば、そこに展示されるものは、その建物と上手く調和し、一体化している。まるでガウディの建築のように過剰に装飾された建物が作品として目立ち、おのれを主張している。
それでも、さほど嫌な感じでもないのは、きっとそれが石で造られ、そこに上手く調和した水や緑が共存し、それらは日本の建物が古来から尊重してきた資材だからなのだろう。
館内に展示されているのは、人間国宝で重要文化財である芹沢銈介の作品。訪れた際は、梅雨の多少ジメジメした気温の日で、それでもエアコンも効かせず、スタッフの方達が立ち働いていた。こういう公立の小さい美術館は、予算の面などでの制約もあり、夏でも省エネの暑い部屋で仕事をすることもあるらしいことを以前どこかの美術館の方から聞いたことがあった。
美術館は作品保存の為に、温湿度、照明に気を配る必要もあり、来館者向けに基本的な環境を整える以外、第一に重要なことが作品の保存なのでしょう。建築界の奇才と詠われる白井晟一氏の建物は飯倉のノアビルもやはり、岩を壁面に多用したどこか厳かな教会にも似た風貌をしている。哲学を勉強し、ヨーロッパの留学先で建築だけではなく様々な分野の学問に触れた白井氏は、建築家は気難しい、というイメージを焼き付けた先駆者なのかもしれない。

2. ARTなスクリーン

画家を主役にした映画はモジリアーニの人生など以前から作品化されて来ましたが、最近は「ゴッホ 最期の手紙」など、ゴッホの死の真相に迫るサスペンスを役者による実際の映像からアニメに起こした高度な技術を駆使した作品なども出て来て話題をさらっています。そういう中で、今回は昔観た映画の中から、今でも鮮明な記憶に残り、話題となる作品を取り上げたいと思います。


* イザベル アジャーニ主演「カミーユ クローデル」

https://www.youtube.com/watch?v=udIjK6AiDWo
(You tube より映像一部)
この映画は実在したロダンの愛人カミーユ クローデルをヒロインとした作品です。伝記映画とも恋愛映画とも振り分けられているようです。この映画が制作されたのが1988年。若い頃にこの映画を観てとても強烈な印象が残りました。今年62歳のフランスの国民的女優イザベル アジャーニは今年のカンヌ映画祭でもシースルーのドレスで話題をさらったようですが、実在したカミーユと生き写しだと公開当時噂されていたようです。既に制作時に離婚していた監督のブリュノ ニュイッテンとの制作は息もあい、アジャーニの迫真に迫る演技がエスカレートするので、途中中断などということがあったようです。
まだ、女性に芸術家としての道が狭かった時代、ロダンと同じような彫刻の道を選んだ苦難の人生、そして最期は亡くなるまで精神病院に収容されてしまう哀しい人生にアジャーニが迫真の演技で迫ります。「芸術家→狂気、自殺」という人生はヴァン ゴッホなどを始め数多く、才能有るが故を詠われたりもします。しかし、私は専門家ではありませんが、狂気、狂人という振るい分けに多少の疑問を感じます。現在でも人間の「脳」は医者や科学者でも解明出来ない謎に多く包まれていて、昔はロボトミーなどという頭蓋骨に穴をあけ、手探りでメスを入れるような手荒な手術によって分裂病(現在の統合失調症)の治療のようなことも行っていました。それによって、病的であるがゆえの創造性も失い、飼いならされて羊のごとく生涯を送った女性の実話も、映画化され観たこともあります。そしてきっとゴッホなどの例も当時の医学、治療によって寧ろ狂気を加速させた点もあるのでは等と感じる時があり、それも今となっては全て謎に包まれたままです。

3. キャリーバッグ

風呂敷 by 芹沢銈介

上記「静岡市立芹沢銈介美術館」のミュージアムショップで見付けた「縄れん」の風呂敷、なんと¥1,500。人間国宝、重要文化財の芹沢作品の中で特に有名なのがこの「縄のれん」の柄ですね。のれんそのものも、麻と綿のものも販売されていました。綿ののれんはなんと¥10,000で購入出来ます。これから、暑い季節にぴったりだと思いませんか?他にはやはり「風」「春夏秋冬」の図柄がシンプルで様々なインテリアに合いそうです。ポストカードも¥50で販売されていました。Good!!

 

4. 美術展 Pick Up!!

ミケランジェロと理想の身体
国立西洋美術館      2018.6.19 (火) 〜 2018.9.24 (月祝)
http://www.nmwa.go.jp/jp/exhibitions/2018michelangelo.html

ゴードン マッタ=クラーク展
東京国立近代美術館    2018.6.19 (火) 〜 2018.9.17 (月祝)
http://www.nmwa.go.jp/jp/exhibitions/2018michelangelo.html

AUDIO ARCHITECTURE : 音のアーキテクチャー展
21_21 DESIGN SIGHT          2018.6.29 (金) 〜 2018.10.14 (日)
http://www.2121designsight.jp/program/audio_architecture/

イサム ノグチ ー 彫刻から身体 庭へ ー
東京オペラシティ アートギャラリー 2018.7.14 (土) 〜 2018.9.24 (月祝)
https://www.operacity.jp/ag/exh211/

 

fin.

この記事のライター

aloreライター@新井隆子
子供の頃に家が城下町にあった為、近所にお堀のある公園、その中に城跡や県立美術館があり、美術館好きになりました。中学の頃からNHK日曜美術館ファン。
’70 大阪万博の時、岡本太郎の『太陽の塔』の前の特設ステージで開催されたアジア少年少女合唱際に参加、歌ったことも想い出の一つです。
昔、大学で(社会)心理学、その後インテリア、建築を学び「コワイ」と言われても元から「美術」&「心理学」が好き。

年齢/昭和3?年戌年生まれ。
職業/主婦。ブログライター、リサイクル雑貨アーチスト(1992年頃からatelier Pluie de Couleurを設営)。WEBSHOP経営。

*ハンドメイドのオリジナルブランド”atlier Pluie de Couleur” 公開中。
*リトグラフ、古伊万里、鉄瓶のWEBSHOP “A.Gallery" 経営中。

趣味/美術館やギャラリー巡り。地方の隠れ家美術館の発掘。料理。旅行。ピアノ演奏。映画鑑賞。
資格/英語検定2級。美術検定2級。アートエバンジェリスト認証。
家族/既婚。夫婦+息子1人+トイプードル

都会の心のオアシス「美術館」
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