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美しきARTな日々5 〜和の精鋭1〜

美しきARTな日々5 〜和の精鋭1〜

美しきARTな日々5
〜和の精鋭1〜

来年の東京オリンピックを前に都内各所に、高層マンション建設や渋谷など駅前整備等が進み、国際都市を目指して様々な構想が現実化し進んで行く中で、逆にジャポニズム回帰、伝統継承の動きも盛んになっていますね。当ブログトップ画像に使用したのは国立新美術館に2021年まで設置される吉岡徳仁による「ガラスの茶室 光庵」。このような光と自然をテーマにした空間と時間の概念を超えた作品には日本の美の根源が写し出されているとされ、作品はニューヨーク近代美術館(米)、ポンピドゥーセンター(仏)など、世界の主要美術館で永久保存されています。吉岡氏は国際的な賞も数々受賞しており、Newsweek誌による「世界が尊敬する日本人100人」にも選ばれています。

1. お茶の世界

ボランティア登録をしている小平市平櫛田中彫刻美術館で今年も「ナイトミュージアム」が8月24日に開催され、館長お手前の恒例「夏のお茶会」、「鳴く虫のコーラス」などが催されました。平櫛田中氏は98歳の歳に上野から小平市に移り住み、邸宅を建て亡くなる107歳までこの邸宅に住みました。世界最高齢のアーチストとしても知られています。お茶や歌舞伎、書道などにも造詣が深く、特に書は掛け軸として残され、展示ごとに架け替えられたりしています。

鳴く虫のコーラス
「鳴く虫のコーラス」ナイトミュージアム
平櫛田中彫刻美術館記念館庭園 (平櫛田中邸)

恒例となる館長主管のお茶会ですが、記念館として公開されている田中邸には庭園が表門手前の表庭、坪庭、中庭、庭園と4カ所あり、また茶室も設えてあります。一番広い庭園は柴又帝釈天庭園の造園家永井楽山氏、他庭園は迎賓館赤坂離宮和風別館庭園造園の岩城宣太郎氏に寄るもので、お茶会は通常庭園で開催されています。三越に贈られたしだれ桜、広島から取り寄せた大石など、樹木の繁る芝の上に緋毛氈を敷いて行われます。私はお茶に造詣が無いので詳しくはないのですが、この書院造りの屋敷で例年、「でんちゅうストラット」という夏の企画展があり、古いお屋敷に武蔵野美術大学学生他現代アートの作家さんに寄る展示があります。その中に茶室外に設える「塵穴」に着眼した作品があって、特にお茶の世界にも興味が湧きました。

塵穴
平櫛田中彫刻美術館記念館表庭

「塵穴」は文字通り、木の葉などの茶室側の塵を投げ入れる穴なのですが、形も円形や四角に象ったものなどあり、実際に塵を入れずに祭事毎に花を入れたりして利用されたりするようです。気にも留めずにいたのですが、この小さい穴に枯れ葉を敷いたり、工夫して利用されてきたことを思うと堅苦しいお茶の世界に愛おしさを感じました。私のお茶会ボランティアに触発されてお茶を始めた知人なども結構いたり、最近日本の芸術の集約として「お茶」が見直されてきているのでまた、違う機会に取り上げたいと思います。

2. 小笠原流

自分の母校のレディースクラブに参加することがあるのですが、今回は時折開催される小笠原流礼法師範に寄るマナーセミナーで、冠婚葬祭時のマナーを学んできました。

東洋大学マナーセミナー
マナーセミナー
東洋大学交友会

最近は、冠婚葬祭も互助会などがあって、私の場合なども事前に知識がなくても全て整えてもらえたので、特に知識は必要ないと思われがちですが、上座は右で下座は左、欧米は逆である(オリンピックのメダルの順位など)とか、葬儀会場での着座の順位やお焼香の仕方など礼法に乗っ取る正しい知識があった方が教養のある振る舞いに見えるかもしれません。そうはいっても告別式の際など、原則があっても周囲のやり方には合わせるなど、講師の方が「流れに逆らわない」ことを強調されていたのが印象に残りました。日本人特有の感覚ですね。空気を読むことと同じかもしれません。

おススメTOPICS

1. 豊島区新庁舎

テレビやマスコミで取り上げられているので、ご存知の方も多いかと思いますが、隈研吾氏設計のこの新庁舎は高層階がブリリアマンションとなっている新しい高層ビルです。ご存知のように隈研吾氏は東京オリンピック新国立競技場の設計や根津美術館、六本木ミッドタウンなどで木や竹を使用した設計で国際的になった建築家の方です。この豊島区新庁舎も豊島区役所となる階層部分の外壁は緑の植樹など、高層ビルでありながら、自然を多く取り込んだ建物となっています。木や竹などは腐り易い為、ビルの外壁等には向かないとされていましたが、木材に特殊加工を施すことによって使用が可能となりました。これからは20階以上の高層ビルが木造という時代になっていくかもしれません。

2. ロバート キャンベル氏 (日本文学者)

今年話題になった「あいちトリエンナーレ 表現の不自由展」中止での発言も物議をかもしたようですが、以前、井上陽水の歌詞の訳詞に関する記事を読み、あまりにも言葉に真摯に向き合う姿が誠実、的確で、日本人以上により日本人らしい感性や聡明さを感じたのでした。今後の発言も気になる人です。

行きたい!! 美術展

1. 話しているのは誰? 現代美術に潜む文学
〜 2019.11.11 (mon)  国立新美術館 企画展示室1E

https://www.nact.jp/exhibition_special/2019/gendai2019/

2. 伊庭 靖子展
〜 2019.10.9 (wed)  東京都美術館 ギャラリーA•B•C

https://www.tobikan.jp/exhibition/2019_yasukoiba.htm

 

平櫛田中彫刻美術館中庭
玄関から中庭を覗む
平櫛田中彫刻美術館記念館 (平櫛田中邸)

 

 

FIN.

この記事のライター

aloreライター@新井隆子
子供の頃に家が城下町にあった為、近所にお堀のある公園、その中に城跡や県立美術館があり、美術館好きになりました。中学の頃からNHK日曜美術館ファン。
’70 大阪万博の時、岡本太郎の『太陽の塔』の前の特設ステージで開催されたアジア少年少女合唱際に参加、歌ったことも想い出の一つです。
昔、大学で(社会)心理学、その後インテリア、建築を学び「コワイ」と言われても元から「美術」&「心理学」が好き。

年齢/昭和3?年戌年生まれ。
職業/主婦。ブログライター、リサイクル雑貨アーチスト(1992年頃からatelier Pluie de Couleurを設営)。過去、公民館生涯学習部、手作り教室等で講師の経験があります。

*ハンドメイドのオリジナルブランド”atlier Pluie de Couleur” 公開中。
*リトグラフ、古伊万里、鉄瓶のWEBSHOP <A.Gallery>経営中。

趣味/美術館、ギャラリー巡り。地方の隠れ家美術館の発掘。料理。旅行。ピアノ演奏。映画鑑賞。
資格/英語検定2級。美術検定2級。アートエバンジェリスト認証。
家族/既婚。夫婦+息子1人+トイプードル

都会の心のオアシス「美術館」
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