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ART のある暮らし5 ARTな街に暮らす〜吉祥寺編〜

ART のある暮らし5 ARTな街に暮らす〜吉祥寺編〜

ARTな街に暮らす〜吉祥寺編〜

当ライターの住まいに近い吉祥寺で、たまたま通りかかった際に見かけたミニのフレームの詰め合わせ。デザイン違いの3点で袋詰めされ、選取見取どれも¥2,000。3点それぞれ異なるサイズ、デザインでパック詰めされています。以前からポスターの専門店と思っていましたが、中で店の方にお聞きしたところ、ミニのフレームで作品を創っている埼玉の作家さん達が自分達で制作する度毎にフレームを持って来られるとのこと。とてもおしゃれで素敵な思いつき。店内にはちょうどピアニストで画家、フジコ ヘミングの版画が沢山並べてありました。今回はこんな素敵なアイデア満載なアートな街、”吉祥寺” の話題を中心にお届けします。

1. いつも住みたい街ベスト1に選ばれてしまう理由(ワケ)あれこれ

井の頭公園への路地


昔の話になりますが、アーチストとして雑貨なども置かせて頂いたお店があったり、馴染みの深い吉祥寺を勝手に分析してみました。
<理由その1>
武蔵野」と呼ばれる自然の残る地域にあるこの街は渋谷からも京王井の頭線で25分程度、新宿からもJR中央線などで30分程度と足の便も◎。各沿線上にも下北沢、高円寺、荻窪、などといった昔から若者や学生で賑わう街も多くある。
<理由その2>
井の頭恩寵公園は古く1917年開園、日本さくら名所100選にも選定され、武蔵野三大湧水池として知られる井の頭池ではボートも楽しむことができ、都市部近郊の行楽地としても古くから賑わう街。
自然は芸術と相性が良く、自然に親しむことによって、創作意欲が湧くというのはよく耳にする話。事実、自然を残す吉祥寺を始め武蔵野近郊には昔から太宰治(三鷹)を始め、芸術を生業とする作家に好まれ、多く住むエリアでもある。
<理由その3>
パルコを始め、以前から様々な百貨店や複合ビルが立ち並び、その傍らにはハーモニカ横丁のような路地裏の飲食店の並ぶ小道や激安店もあったりと、男女年齢を問わず、様々な人が多様な娯楽を選んで楽しむことができる街。
<理由その4>
ジャズの街として昔から知られ、老舗ジャズ喫茶などもあり、音楽に縁も深い。また、画廊、貸画廊も多く、気軽に個展などを開く愛好者にとっても馴染みやすい文化の街。そして近郊の主婦など洗練され、品の良い客層も多く訪れる為か、プチブル的な(?)高級感もある。ライフスタイルにこだわる人に好まれる街。

2. ARTなエリアに立ち寄ろう!!

COTTON FIELD (手芸材料店)

上の画像は、ライター本人がハンドメイドをする為の材料調達に昔から利用させて頂いているこだわりの手芸用品店。東急百貨店のすぐ脇の路地裏にある。他にこの周辺には輸入ボタン専門店や雑貨屋さんも建ち並ぶ。

東急吉祥寺店

東急吉祥寺店8階には美術サロンなど、気軽に観るだけでもOKな画廊、取材した時は「NIPPON発! 現代アート展」を開催中で、草間彌生など旬なアーチストの展示がされていました。

他に、この界隈には武蔵野市立吉祥寺美術館があり、この地ゆかりの浜口陽三記念室、萩原英雄記念室が設けてあります。小さな美術館ですが、レトロな休憩用の椅子やミュージアムショップもあり、常設展¥100、企画展¥300でショッピングのついでに気軽に立ち寄ることができます。

3. 武蔵野と芸術

「武蔵野」を調べると、関東の一地域を指す地域名で、「どこまでもつづく原野」あるいは「月の名所」として古来からさまざまな文芸作品、美術、工芸作品にインスピレーションを与えてきました。明確な定義はありませんが、広辞苑では「埼玉県川越以南、東京都府中までの間の地域」とされ、江戸後期出版の「江戸名所図会」では、「南は多摩川、北は荒川、東は隅田川、西は大岳、秩父根を限り」として多摩、荏原、豊島、足立、新座、比企、入間等十郡に跨がると解説されています。原野としては、萩は武蔵野の原野を代表する植物の一つで、雑木林なども武蔵野に多く残されていました。現在では調布、神代植物公園周辺に広がる雑木林などが趣を残しています。

4. ARTと自然

アート(art)の語源はラテン語のアルス(ars)、アルスの語源はギリシャ語のテクネ(techne)で、技術という言葉の元になったようです。そして、自然に手を加えることがアート(art)、日本人は芸(藝)術と訳しました。技術の「技」は、小枝を折って自在に使う様子で、芸(藝)術の藝は屈んで木を植える様子だそうです。藝術にしても技術にしても木(自然)との関わりが生んだ技(わざ)のようです。
人は元来自然と一体化し、動物として暮らしていました。6000年から5000年前位から農業も始まり手を使う「技術」を発達させながら、自然の災害から身を守る為に住まいを作るなど、様々な創意工夫と共に文化を生み、加速的に文明を築いてきました。もとは、洞窟の中に住み、壁画を描いて意志を伝えたり、感情を表現したりしていたのですが、自然を利用する技術とそこから得るインスピレーションを発達させることで、感性も発達し、人どおし交流する手段も発達して来ました。描くという行為は本来「人間」に備わった行為でした。画家や作家が自然からインスピレーションを得て創作意欲が湧くというのも、このような本来の暮らし方に由来しているのかもしれませんね。

吉祥寺〜武蔵野〜自然、と拡散してしまいましたが、都会からでも箱根、信州にとどまらず、少し郊外に足を伸ばせば、まだ多く残る原生林や水辺。そしてそのような場所には、町おこしの為か美術館やギャラリーの建設が増えています。まだ廻りの人にあまり知られていない美術館を見付けにショートトリップなどは如何でしょう?これからの季節にうってつけです。

5. 今回のおススメ

*美術展*

<生誕120年 東郷青児展>
http://www.sjnk-museum.org/program/4953.html


1920年から50年代までの作品をメインに藤田嗣治との共作壁画など、まだ知られていない作品も出品され過去最大の回顧展となります。このあと、福岡〜大阪と巡回します。
2017.9.16(土) 〜2017.11.12(日) 損保ジャパン日本興亜美術館

<安藤忠雄展 挑戦>
http://www.tadao-ando.com/exhibition2017/

スケールの大きな 世界のANDO 作品を原点 ”住吉の長屋” 〜 代表作 ”光の教会” を経て、”直島プロジェクト” 等々、原寸大模型や多彩な設計資料を巡りながら、壮大な挑戦の軌跡と未来への展望を、建築の無限の可能性と共に知ることになるでしょう。
2017.9.27(水)〜2017.12.18(月)
国立新美術館 企画展示室1E+野外展示場

*シネマ*

<ル コルビジェとアイリーン 追憶のヴィラ>
http://www.transformer.co.jp/m/lecorbusier.eileen/

日本では、2016年に世界遺産となった国立西洋美術館の設計で知られるスイスの建築家ル コルビジェ(1887ー1965)。彼の近代建築に影で過大な影響を与え、羨望の的であった感性の持ち主家具デザイナー アイリーン グレイと、復元された彼女の別荘<E1027>などを舞台に、2人の相克する関わりを美しい映像で描く。
渋谷BUNKAMURAで10/14 (土) 〜 ロードショー。
*昨年個人ブログ”建築短編集Part8”でアイリーン とコルビジェに触れた記事を書きました。お時間があればこちらもどうぞ。
https://blogs.yahoo.co.jp/lunetk/14127947.html

 

FIN.

<参考文献>
信頼資本財団 シンライノコトバ
美術検定公式テキスト西洋 日本美術史の基本  美術出版社

この記事のライター

aloreライター@新井隆子
子供の頃に家が城下町にあった為、近所にお堀のある公園、その中に城跡や県立美術館があり、美術館好きになりました。中学の頃からNHK日曜美術館ファン。
’70 大阪万博の時、岡本太郎の『太陽の塔』の前の特設ステージで開催されたアジア少年少女合唱際に参加、歌ったことも想い出の一つです。
昔、大学で(社会)心理学、その後インテリア、建築を学び「コワイ」と言われても元から「美術」&「心理学」が好き。

年齢/昭和3?年戌年生まれ。
職業/主婦。ブログライター、造形作家(1992年頃からリサイクル雑貨制作atelier Pluie de Couleurを設営)。過去、公民館生涯学習部、手作り教室等で講師の経験があります。

*ハンドメイドのオリジナルブランド”atlier Pluie de Couleur” 公開中。
*リトグラフ、古伊万里、鉄瓶のWEBSHOP <A.Gallery>経営中。

趣味/美術館、ギャラリー巡り。地方の隠れ家美術館の発掘。旅行。ピアノ演奏。料理。映画鑑賞。
資格/アートエバンジェリスト認証。美術検定2級。英語検定2級。
家族/既婚。夫婦+息子1人+トイプードル

都会の心のオアシス「美術館」
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