AE-Salon Webマガジン「alore(アローア)」

こ・こ・ち・よ・い・光の色

こ・こ・ち・よ・い・光の色

東京日本橋の「アートアクアリウム2017」に行きました。
主役は、金魚です。約8000匹の金魚が、光の色に照らされた水槽の中で、泳ぎ舞っていました。

1000匹の金魚が泳ぐ世界最大級の金魚鉢

アートアクアリウム展・花魁

花魁(おいらん)は、江戸の遊郭を表現した金魚鉢です。乱舞する金魚は、花魁(吉原遊郭の位の高い遊女)とそれを目指す女性たちを表しています。写真では、2色のみですが、これらは、7色に変化し江戸花街の艶やかさを演出しています。

アンドンリウム

アンドンリウム金魚鉢・赤・青・黄色アンドンリウム金魚鉢・薄紫色・茶色

アンドンリウムは、日本の伝統照明である行燈をモチーフにしています。泳ぐ金魚と側面にレースで施されたグラフィックが、常に変化し、複雑な影を織り成しています。中のレースは、赤・青・黄色・薄い紫・茶色と色を水槽ごとに変えてありました。レースといえば、最近のファッションで、レースを使ったスカート、ワンピースなど街でみかけます。私には、行燈と洋服のコラボに思えました。

他にも写真のように金魚が、あらゆる色の光で、照らされていました。

金魚のこ・こ・ち・よ・い・光の色

金魚は、どの光の色が、お気に入りでしょうか?どの光の色が、こ・こ・ち・よ・いのでしょうか?金魚は、色の識別能力があるといわれています。私たち人とは、比べものにならないほど優れた色覚をもっているともいわれています。しかしながら、金魚のこ・こ・ち・よ・い光の色は未知の世界です。犬のように尻尾を振ってくれたら、猫のようにゴロゴロとすり寄って来てくれたら…わかりやすいのに…。

人のこ・こ・ち・よ・い・光の色

さて、人はどうでしょう?
人は黄色く弱い光にこ・こ・ち・よ・さを感じます。
黄色く弱い光は、「たき火」や「ろうそく」を想起させるからです。
では、なぜ私たちは、「たき火」や「ろうそく」で、こ・こ・ち・よ・さを感じるのでしょうか、それは人類の暮らしの歴史を紐解くことで明らかになります。

数百万年前、人類は狩猟採集の生活をおくっていました。狩猟採集の生活とは、日の出とともに狩りや採集を開始し、日没には、活動を終了する生活です。生活の中で、日没に近づく夕暮れ時は、太陽の光の色は、弱い赤や弱い黄になります。(参照 太陽の光とたき火 色と光の強さ)照明などの人工光源はなく、自然の光(太陽光)のみで、生活していました。

(参照)

太陽光の色・たき火の色・それらの強さ
太陽の光とたき火 色と光の強さ

数十万年前、人類は、火を使うようになります。これが、最初の人工光源である「たき火」です。その後、ろうそく、ガス灯、白熱灯、蛍光灯、白色LED照明が、使われるようになりました

(参照)

照明用光源の開発の歴史・ガス灯から白色LED

このように、古来の人類の生活は、活動を終え、くつろぎリラックスしていた時に「たき火」や「ろうそく」による黄色い弱い光の中で過ごしていました。言い換えれば、古来人類の光の色への感覚は、「たき火」や「ろうそく」による黄色く弱い光をここちよいと感じていたわけです。でも、現代人は、この感覚が引き継がれているものなのでしょうか。現代人の感覚からすると、夕暮れ時の時間帯は部屋にいることが多く、蛍光灯のような白い光を心地よく感じるのではと思われるかもしれません。しかし、実は、「たき火」や「ろうそく」以後の人工光源(参照 照明用光源の開発の歴史)の歴史は非常に浅く、人類の数百万年前からの歴史からするとほんの一端に過ぎません。このため、今なお古来人類の光の色への感覚が、現代人の感覚として考えられています。

このような理由から、現代に生きる私たちは、黄色く弱い光にこ・こ・ち・よ・さを感じてしまうのです。

最後に

人類の暮らしの歴史をたどるとここちよい光の色を知ることができました。金魚の祖先は、フナの突然変異を人為的に交配して、鑑賞用に育てた魚だそうです。なんだか、この金魚たちは、どんな光の色もここちよいのかも?と思えてきました。

この記事のライター

aloreライター片桐です
1964年生 既婚 愛知県一宮市住在 会社員
<好きなこと>
美術鑑賞/本、雑誌を読むこと/能のお稽古/着物を着ること/レトロな喫茶店に行くこと/テンションのあがる音楽/人の話を聞くこと/
<取得資格>
国際カラーデザイン協会 カラーデザインマスター/日本カラリスト協会 1級パーソナルカラーリスト/色彩診断士/東商カラーコーディネーター1級(環境色彩)/アートエバンジェリスト/日本色彩学会会員

アート&色。お手すきのときにお読みくださいね。
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