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ARTのある暮らし4  風と光を感じるART

ARTのある暮らし4  風と光を感じるART

風と光を感じるART

最初にある画像、白いバスケット、左側の階段の大きさと比較してみて下さい。これは、シンガポールのタン ダ ウさんの<最後の買い物>という作品で、パブリックアートプロジェクト “ファーレ立川” の屋外展示作品の一つです。ファーレ立川は立川駅北口徒歩5分位の場所にある屋外彫刻の並ぶ街の一角です。このかごはファーレ立川センタースクウェアの東側にあるビルの空調用の排気口です。
さて、美術ファンにとっては、雨も続いたり、比較的涼しい日も多かった今年の夏は、美術館巡りも例年よりは快適だったのではないでしょうか。特に屋外の展示作品巡りにはこれから晩秋にかけて最適な時節ですね。(但し、8月に40年振りに16日間雨の降り続いた直後で書いているこのブログ、公開された頃はまた暑い日が続いているかもしれませんが..)。そこで、今回は、風と光を感じながら美術館の外で楽しめるパブリックアートや自然に包まれるアートスポットなどをメインにご紹介します。好奇心一杯にアートの観て歩き、ワクワクが一杯で美容と健康にもオススメです。

1.パブリックアートって何?

「パブリックアート」という概念は、日本には1980年代に主にアメリカから入って来ました。アメリカはすでに100年近く前から公共空間にアートを導入し、1959年には、公共施設の建築予算の一部をアートにあてる制度が法制化されていました。日本では「屋外彫刻」という言葉で1960年代に山口県の宇部市などから野外彫刻を設置する運動が始まり、やがて全国規模で展開されていきました。都市計画としても公開空地として小公園や文化施設が増える経緯もあり、アートの設置が要請される状況も増えました。また、欧米並みに建築予算の1%をアートにあてる条例なども県ごとに採られることによってARTの導入は増え、それはバブル崩壊後も続きました。
このように都市計画の一部、また建築、文化支援という目的で美術が美術館やギャラリーから出て、公共の場で社会と接点をもったものを「パブリックアート」と呼びます。

2.パブリックアートの潮流

現在のパブリックアートの展開を様々な角度から分類しています。
1) ”ファーレ立川” のように都市開発や中心部の広場に設置して都市のコアを作ろうとするもの。”ファーレ立川” は、1994年にオープン、2016年3月に2度目の大規模なアート作品の修復が行われたそうです。

<オープン カフェ テラス>
ジャン ピエール レイノー
ファーレ立川周辺

2) ”大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ” のようにアートを地域づくり、町おこしなどの手だてとしたもの。

越後妻有アートトリエンナーレ1


さてここで、国際的にも各年ごとに開催される芸術祭について解説
ヴィエンナーレ/2年毎に開催されるアートの祭典。「ヴィエンナーレ」の原意はイタリア語で「2年に1度」。1885年から開催される世界で最も歴史のあるヴェネチアヴィエンナーレなどがこれにあたり、今年開催されています。
トリエンナーレ/イタリア語で「3年に1度」の意。3年毎に開催されるアートの祭典。横浜トリエンナーレは今年開催中です。
因みに今年は北アルプス国際芸術祭 (富山県)、ドクメンタ14 (アテネ カッセル)などの芸術祭も開催され、盛り上がりをみせています。

3) ”箱根彫刻の森美術館” 、アメリカ “ペプシコ彫刻公園” などの彫刻公園。企業、企業オーナーなどにより運営されているもの。

<ミス ブラック パワー >  by ニキ ド サンフィル

 

4) 自然の中にランドマーク的に展開するアート設置計画。

5) コミュニティ再建を目的としたアートプロジェクト。ブラジル リオの貧民街を再建する為のアートプロジェクトなど。

6) アーチストが個人で始めたアートプロジェクト。クリスト&ジャンヌ クロードなどのプロジェクトが国際的に有名です。

3.自然に包まれたART

1) 自然溢れる郊外の美術館
DIC川村記念美術館 など

DIC川村記念美術館

千葉県佐倉市にあるDIC川村記念美術館は里山の地形を活かした広大な緑豊かな庭園内にある美術館です。自然散策路や芝生もあり、四季ごとに桜、紫陽花、ヤマユリなど様々な花が咲き、野鳥や昆虫、白鳥なども観られます。

2) 海外編
ハイライン(ニューヨーク) など

ハイライン ニューヨーク

2009年6月にオープンした全長2.3kmのニューヨーク市にある遊歩道です。廃止されたウェストサイド線と呼ばれるニューヨークセントラル鉄道の支線の高架部分に建設されました。植物の生い茂る中、たくさんの彫刻作品も楽しめます。また、1930年にマルセル ブロイヤーが設計、開館したホイットニー近現代美術館が、2015年にレンゾ ピアノの設計でダウンタウンのハイラインに移転したことも美術ファンの間で評判になっています。

4.今月のおすすめ

*美術展*

<ヨコハマトリエンナーレ2017
横浜美術館がメイン会場となり、横浜赤レンガ倉庫、BankART StudioNYK、黄金町エリアを無料バスが走ります。
http://yokohama.art.museum/exhibition/index/20170804-487.html

*シネマ*

<セザンヌと過ごした時間
http://www.cetera.co.jp/cezanne/
新印象派の画家ポール セザンヌと小説家エミール ゾラの40年に渡る友情を中心に、19世紀から20世紀のフランスの芸術家の生活をセザンヌの絵から抜け出したような色調で描いている。ロダンやベルト モリゾなど当時の画家達がカフェのシーンなどに所々顔を出している。
渋谷BUNKAMURAで9/2より公開中。
〜オマケ豆知識〜
19世紀から20世紀初頭にかけ蒸気機関車に寄る交通網の発達と*”チューブ入り油絵の具の発明”で気軽に郊外へ画材を持って出かけられるようになったことが戸外での制作を容易にし、印象派を発展させました。自然光の加減による色の表現の追求も始まり、パレットの上で混色するのではなく、キャンバスに色を載せ視覚混合を起こさせる筆触分割などの技法も生まれます。セザンヌは新印象派と呼ばれ、外界を多面的に捉えて表現する技法でその後のキュビスムなどへ影響を与えました。

 

FIN.


<参考文献>
美術検定 美術館を知るキーワード  美術出版社
美術検定公式テキスト 西洋日本美術史の基本 美術出版社
ファーレ立川パブリックアートプロジェクト  北川フラム 現代企画室

この記事のライター

aloreライター@新井隆子
子供の頃に家が城下町にあった為、近所にお堀のある公園、その中に城跡や県立美術館があり、美術館好きになりました。中学の頃からNHK日曜美術館ファン。
’70 大阪万博の時、岡本太郎の『太陽の塔』の前の特設ステージで開催されたアジア少年少女合唱際に参加、歌ったことも想い出の一つです。
昔、大学で(社会)心理学、その後インテリア、建築を学び「コワイ」と言われても元から「美術」&「心理学」が好き。

年齢/昭和3?年戌年生まれ。
職業/主婦。ブログライター、リサイクル雑貨アーチスト(1992年頃からatelier Pluie de Couleurを設営)。過去、公民館生涯学習部、手作り教室等で講師の経験があります。

*ハンドメイドのオリジナルブランド”atlier Pluie de Couleur” 公開中。
*リトグラフ、古伊万里、鉄瓶のWEBSHOP <A.Gallery>経営中。

趣味/美術館、ギャラリー巡り。地方の隠れ家美術館の発掘。料理。旅行。ピアノ演奏。映画鑑賞。
資格/英語検定2級。美術検定2級。アートエバンジェリスト認証。
家族/既婚。夫婦+息子1人+トイプードル

都会の心のオアシス「美術館」
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